無黒字log

第19回 Mt.富士ヒルクライム, シルバー

Cover Image for 第19回 Mt.富士ヒルクライム, シルバー
Posted:

シルバーリングが届きました久々更新。

今年の富士ヒルでなんとかシルバー(約74分40秒)。去年初出場の富士ヒルでは約84分ブロンズだったので、約9分縮められたことになる。

富士ヒルは集団走行の空力メリットが大きく、シルバーやゴールドを目指す場合にはほぼ必須だとされている。 しかし、ぼっち気質が祟りほぼ単独走行に。

レース中どういう気持ちや戦略で走るとかは他の方のレポに任せるとし、ここでは単独走した場合のデータ類を示す。

スペック類

肉体

  • 体重: 64~65kgぐらい
  • 身長: 173cm
  • 年齢: 30
  • 直前のFTP: 284W(Ramp Test)

機材

  • バイク: TREK, Emonda SL6 Disc 2021
  • ホイール: Bontrager Aeolus RSL 51
  • タイヤ:
    • フロント: Continental GP5000 CL 25mm
    • リア: Continental GP5000 CL 28mm
  • ハンドル: 3T AeroFlux, 380mm
  • バイク重量: 体重計差分計測で8.2kgぐらい.
  • シューズ: Shimano RC702
  • ヘルメット: OGK Kabuto, Aero-V1 シールド付き

ここに書いていないパーツ類は基本的に完成車から変えていません。

レースデータ

タイム

ペース配分の目標は、アフログ:「富士の国やまなし Mt.富士ヒルクライム」 ブロンズ・シルバー・ゴールドのペース配分表1 を参考にした。

目標と実際のタイムは以下の通り。

距離(km)目標 (min)実績(min)差分 (sec)
517:0117:45-45
5.6(1合目)18:3719:34-57
9.0(2合目)29:2229:28-66
1032:1632:31-15
12.8(3合目)41:5841:30+ 28
1547:4649:17-91
17.8(4合目)56:4157:37-56
2063:3565:11-96
24(ゴール)73:2974:40-71

スピードの上げ下げが大きくテンポを刻めていないのが明らか。

  • ~1合目: 抑え気味に走る定番のセオリーに従ったつもりだったが抑えすぎ
  • 2合~3合目: タイムが悪いことに気付きかなりのペースアップ(ここだけ目標タイム上回る)
  • 15km: 飛ばしすぎてタレタレ、ついでに心も折れかけ
  • 4合目: 少し体力が戻りまたペースアップ
  • 20km: またへばってる…
  • 24km: 勾配が緩まる平坦区間でスピードに乗って少しタイムを戻す

実際のパワーと平地換算のパワー

一般には、高地になればなるほど平地に比べてパワーが落ちることが知られている(高地効果)。

標高x[km]におけるパワーの減衰率y[%] は次式が提案されている23

ただし、平均的な減衰率で、高地効果の影響度は個人差があることに注意。

ド平坦関東平野に住んでいるため、この式を使いレース中のパワーを平地換算し、5kmごとの平均値を計算。 これにより平地でどのぐらいのパワーがあれば、単独シルバーがとれるかの目安になる、はず(?)

距離(km)平均パワー(W)仮想平地平均パワー(W)
5254.6272.4
10263.6288.3
15239.4267.5
20232.2265.4
24(ゴール)240.1279.3
全体246.6 (3.75 W/kg)274.1 (4.28 W/kg)

パワー, 心拍のログ

おおむね広く言われている、平地でPWR 4.2 W/kg がボーダーラインという数字とも一致します。 実際には1h15minも274W出し続けられる気がしないので、私は高地効果による悪影響が少な目な体質なのかもしれません。

もちろん集団走行ができればこれよりも低いパワーでシルバーをとれるでしょう。

反省点

やってよかったこと

  • ひとえに禁酒。体重は変わらなかったが、トレーニング後の回復が早くなった気がする。
  • SST~VO2Maxの高強度に偏ったトレーニングはよかったかも。特に仕事があるといかんせん低強度長時間は難しい
  • 機材ドーピング。やはりエアロで軽いホイールはいい。
    • 全体的に勾配がゆるむところではスピードを上げられているので、ホイールのエアロ効果も大きい。

だめだったところ

  • トレインを組めなかった。練習できないことは本番でもできない
    • エアロ効果もあるし、なにより精神的にも周りに人がいると楽だと思われる。
    • 当日声かければ何とかなるだろうは何とかなりません。第3ウェーブの出走で既に待機列がかなりできていて無理
      • 追いついた集団は自分よりも遅いし、抜いていった速い集団にはそう簡単に乗れない
  • ペース配分がぐちゃぐちゃ
    • 結果的には間に合ったものの、ペースの上げ下げはつらくなるので良くない

まとめ

友達は買えないが、空力は買える!

ここでは、2023年の富士ヒルの走行データ、必要な単独でシルバーをとるために必要なパワーを示しました。 今年は台風一過で当日の天気にも恵まれ、全体的にいいタイムが出やすい条件がそろっていたのだと思います。とてもつらいので、事前にネットで募集するなどしてトレインは組めるなら組みましょう。

ひとまずシルバーはとれたので、一旦富士ヒルは卒業予定です(体力のある若いうちにゴールド挑戦したほうがいいってのも重々承知だが、ここからさらに10分縮められる未来が見えない…)。

お疲れさまでした!👋👋

参考文献

Footnotes

  1. アフログ:「富士の国やまなし Mt.富士ヒルクライム」 ブロンズ・シルバー・ゴールドのペース配分表

  2. Bassett DR Jr, Kyle CR, Passfield L, Broker JP, Burke ER. Comparing cycling world hour records, 1967-1996: modeling with empirical data. Medicine and Science in Sports and Exercise. 1999 Nov;31(11):1665-1676. DOI: 10.1097/00005768-199911000-00025. PMID: 10589872.

  3. なぜベストを尽くせないのか ヒルクライムと高地効果の不都合な関係